コラム

ゲーミフィケーションの試み

グループインタビューの運営にゲーミフィケーションを取り入れようと少しずつ試みている。
改めてゲーミフィケーションと言うまでもないが「他己紹介」を試みた。
「他己紹介」はラポール形成に役立つ方法として古くから使われている。
方法は簡単で、「グループインタビューの自己紹介でお互いに隣に座った人の紹介をしてもらう」ということである。
そのためには事前に「お互いに会話して個人情報を収集してもらう必要がある」
その行為がアイスブレイクのきっかけになって自己紹介の場で一気にラポールが形成される。
というのが他己紹介の利点である。
ただ、いつもうまくいくわけではなく、通り一遍のデモグラ特性の自己紹介だけで、かえって「固めて」しまう失敗もある。
そこで今回は、

  • 他己紹介の情報収集はいつも通り
  • 実際の紹介時にゲーミフィケーション要素を取り入れる

という方法をとった。
具体的には、

  • 他己紹介している本人にクイズ形式の質問をする。
  • 或いは、モレていた情報を見つけて紹介者本人に当てさせる

ということにした。
若い対象者であれば、ほとんどのグループで効果的だった。

「では、Aさんの紹介をします。Aさんは○と言う名前で△に住んでいます。仕事はIT系で、。。。。。」とBさんがAさんを紹介し終わった時「BさんAさんは何人兄弟だと思います?」とBさんにモデレーターが聞きます。
すかさず、「他の人もAさんは何人兄弟の何番目に見えますか?」と全体に振ります。
さらに「上or下は男か女か?」というように連続してAさんの家族関係を聞くことでグループ全体のAさんへの関心が高まります。
こうして5人から6人の自己紹介で「場の雰囲気」は非常に和みます。

対象者からも「これは相手のことがよくわかっていいわ。自分の自己紹介は固くてつまらないし。」と共感された。
モデレターと対象者の対の関係から、対象者同士の集団の関係が早く築ける。
見知らぬ人の兄弟姉妹関係を当てる楽しみ、長男であると予想すればその理由まで聞くことで対象者の観察力を計ることもできる。
何よりもこれからの会が楽しいものになりそうで、積極的に参加したいという意欲が生まれた。

次回はインタビューのテーマそのものでゲーミフィケーションをやってみたいが、しっかりと計画しないとクライアントさんの了解が得られない。
「許可を求めるな。許しをこえ。」精神でやってみるか。

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