アウラの商品群
DaybyDayインタビュー
DaybyDayインタビューの発想
夫婦喧嘩、飲み屋での議論、上司の説教、など白熱した会話のやり取りの後、「ああ言えばよかった」「こう切り返すべきだった」と後悔・反省して眠れない夜を過ごしたことはありませんか。
さらに、「そうか!相手は実はこのことを言いたかったのかもしれない」「自分は案外そのように考えているのかもしれない」と自分の認知そのものを組み替えたこともあるはずです。
我々はこういった「反省」や「認知の組み換え」が通常の1on1インタビューでも起こっていると考えることから「DaybyDayインタビュー」を発想しました。
DaybyDayインタビューとは何か
< 同一対象者に、同一インタビュアーが、同一テーマで、2日間連続で1on1インタビューを行う >
アクティブインタビューの考え方とDaybyDayインタビュー
<アクティブインタビューとは>
- 対象者と「意味生成の協働作業」を行う
- 対象者の回答リソースの再認識、脱構築、創造を行う
- 単なる回答ではなく「実践的推論」を導き出す
DaybyDayインタビューで消費者の「深い」インサイトがわかる
通常の1on1インタビューでの対象者側の限界、問題点
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通常の1on1インタビューでのインタビュアー側の限界、問題点
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* 消費者インサイトとをブランド選択における「認知プロセス」「暗黙知」と定義します。
1on1インタビューの基本
DaybyDayインタビューは1on1インタビューの発展形です。
■ふさわしい環境整備
- 来場に負担がない → 郊外やビジネス街の真ん中にある、駅から遠い
- 閉じられた静かな空間 → 広すぎない、空調が整った、余計な装飾がない
- 外部の視線を感じさせない → 露骨な鏡やカメラがない
- リラックスと緊張が保てるテーブル・椅子 → 高すぎず・低すぎず、固すぎず・柔らか過ぎず
■インタビュアーの準備
- テーマの深い理解 → マーケティングと結びつけられるように
- 仮説設定 → おおまかな仮説、ガチガチのスクリプトにはしない
- イメージトレーニング → 対象者のパーソナリティ仮説を作る(手もとにある資料だけで)
■2日目インタビューの留意点
- 同一質問を恐れない → 前日の回答は記憶
- 再構築仮説の提示 → 前日の仮説を進化させる
- パーソナリティ提示 → 失礼にならない程度の対象者のプロファイル
DaybyDayインタビューの事例
前回紹介したDaybyDayインタビューについて「具体的成果」を見せろ、というご要望があったのでセミナーで取り上げたテーマで報告します。
新製品「グルト!」の購入経験がある女性3人にDaybyDayインタビューをしました。
3人には3人のインタビュアーがインタビューしました。(本来はインタビュアーは1人が望ましい。今回はインタビュー技法のセミナー)
「グルト!」は、たまたまこの時期の新製品だったので取り上げました。(従って、明治乳業さんには無断で取り上げています。)
「グルト!」の消費者インサイトをさぐる
方法
DaybyDayインタビュー
対象
30歳未婚女性、グルト購入経験あり
実施日
2010年6月1日(火)13:00~1回目 6月2日(水)10:30~2回目
@アウラインタビュールーム
2010年3月 明治yoplaitから発売 CMオンエア、通常ヨーグルトの棚 *受注業務ではなく、セミナーの教材として取り上げました。 |
インタビューフロー
1.プロファイル把握
- 住まい、家族、仕事、よく行くスーパー・CVS、買い物頻度
- 情報接触(新聞テレビ雑誌、チラシ、ネット、SNS、ブログ、リアル口コミ)
- 食生活(朝、昼、夜の傾向、気にかけていること、避けていること)
- 健康、ダイエット、環境保護
2.グルト!との出会い
- AIDMAプロセスを詳しく、購入に至ったプロセスを体験順序に沿って
- 購入個数、価格、高いorお買い得のどちら
- リピート購入の有無とその理由
3.今後の購入意向
- 買い続けるか、やめるか/その理由
- 誰のどんなときのものか
4.グルト!のイメージ
- 買う・食べる前の「グルト!」と食べた後の「グルト!」
- 知らない人にグルトを勧めるとしたら、知っていて買わない人に勧めるとしたら
- グルト!を買わない人の買わない理由を想像すると
- CM、PKの評価
第1回インタビュー結果(6月1日)
- 朝のヨーグルトを探していた
- 「LG21」「ビオ」と食べてきたが飽きた ・ヨーグルトは1年くらいで飽きる
- 「ビオ」は便秘対策で食べていたが、便秘は他のたべもので対策するようになった
- 母親が見つけてくれたナッツ(通販)が便秘によい(らしい)
- 行きつけのスーパーにグルト!があった。
- ハコのウラもよく読んで、食べ方もわかって、ヨーグルト「ビオ」の代替として購入
- CM、POPは見ていない
- PKはカワイイとおもった。価格も高くない
- 毎朝1本、朝食で食べる。お弁当の時は持って行く
- おいしいし、飽きるまで続ける。
インサイト
飽きを満足させる新しさ。
それ故、飽きたときは簡単にスイッチされる
モデレーターと対象者の反芻、認知の組み換え(6月1日の夜に起こったこと)
1.モデレーターの反省、認知の組み換え、仮説再構築
- 2、3人目の対象者によって子供向けの商品だった。(本対象者からはそういったイメージは出てこなかった)
- さらに似たような商品ジャンルの誘導から「吸う」ことへの共感・安心感、楽しさがインサイトではないかと仮説
- ちゃんとしたヨーグルト(BioやLG21と同等)として扱われていた
- 店頭でPKをよく確認して買っていた。
- CM認知はなかった。PKのカワイさ、中の1本、1本にメッセージがあることへの薄い疑問
2.対象者の認知の組み換え、態度変容
- 家で母親に「こども向けらしい(CM視聴で)」と話して母親から「そうよね」といわれて軽いショック(知ってたんだ!)
- うまか棒が好きということ、それとグルトが結びつくこと
- 家の中、親しい人たちのなかでの食べ物(チュウチュウ吸う)であることの気づき
第2回インタビュー結果(6月2日)
- 母親が「子供向き」と思ってたのがショックだった
- PKではそれほどとは思わなかったが、昨日CMを見せられて、完全子供向きと思った
- 中の棒1本、1本に「変な」模様があるのはヘンだとおもってた
- チューペットとこも好き。だけどウイダーインタイプは嫌い。吸うのに力が必要
- そういえば、うか棒が好きで海外に行くときはまとめ買いする
- 会社で食べるときも自分の席で回りは同年代の女の子ばっかりだ
- これを彼氏が好きだといったら許せない、キモイ
- でも好きだから飽きるまで買い続ける
DaybyDayインタビューの分析
DaybyDayインタビューで発見された「グルト!」の購入インサイト
「子供時代への郷愁」
-こどものようにチューチュー食べる大人の自分がカワイイ。カワイく見えるー
インサイトの背景・理由
味 → 子供のとき食べた「ビン入りのグリーン」のヨーグルト
食べ方 → 子供時代に食べた(今も食べる)懐かしい食べ方 → チュペット、パピコ
駄菓子イメージ → うまか棒、他 → 少しジャンクの匂い ← だけど「ヨーグルト」
PKデザイン → 子供っぽい(ビスコのイメージ)
CM → 完全にこども向け
ネーミング → 「ヨーグルト」を連想させるが「本物」感がない。 → こども向け
「甘さ」の意味 → 甘味は郷愁である。(チョコの甘さは砂糖の甘さ、「グルト!」の甘さは母乳の甘さ
「グルト!」の市場定着の予測・理由
「うまか棒」のポジションを得られる可能性
ターゲット : 小学生と20代の未婚者
ポジション : 大人の駄菓子
(消費者)インサイトの定義
「ターゲット消費者が受容・了解・納得したコンセプトで、消費者独自のストーリーが付与された」意識
メーカー・開発者の意図を越えて語られる消費者のブランドスト-リー