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今週の話題:グループインタビューの最適対象者人数は4人である

対象者4人とモデレーターの5人で進められるグループインタビューは最高のパフォーマンスを発揮する。
「4」と言う数字の不思議さを過去の研究から明らかにし、フォーカスグループインタビューに適応する過程を述べる。

<「4」をめぐるいろいろな研究>
心理学者ミラーがマジカルナンバー(短期記憶、チャンク)は「7±2」と発表したのが1956年、その後コーワンンの追試で「4±1」をマジカルナンバーとしたのが2001年。
スピータイジングということばがある。
スピータイジングとは、1、2,3,と数え上げなくても数が認知できることを言う。
一般に4までは見ただけで認知できるが、5以上になると数え上げる行為が必要になる。
このスピータイジングは、数を表す言語を持たない民族(ピダハン)でも文明社会でも共通である。(2024年エヴェレット)
果物1個と4個の袋では、見ただけで、全員4個の袋に手を出すが、6個入りと7個入りではピダハンは選べなくなる。
我々は1個,2個,3個と数え上げて7個入りの袋を選ぶことができる。(6個より1個多いから)
ロビン・ダンンバーの会話集団の研究で、4人ならおしゃべりが続くが、5人になるとしゃべらない人、しゃべりづらそうな人が出てきてしまうそうである。(1998)
ここから、自然状態(命令や強制がない)のおしゃべり集団の限界人数は4人とダンバーは結論づけた。
視覚性ワーキングメモリー容量の限界は4であるという研究がある。(1977ラックとフォーゲル)
彼らはPC画面上で色や形の違う図形をいくつか表示し、それぞれが違う動きスピードで推移するのを見せる。
その後、各図形の軌跡を再現させる実験を行った。
人間は4個の図形の移動を再現できたが、チンパンジーは10以上の図形の軌跡を追えたそうである。
理由はわからないが、人間は進化の過程でこの視覚性ワーキングメモリー容量の能力の一部を捨てたと考えられている。
さらに、最近、ハーバード大の研究で、チーム編成時、パフォーマンスを最大化できる人数は4~6人という結果が出たそうである。
以上、グループインタビューを含む小集団活動において「4、4人」という数値は重要な意味を持つと考えられる。

<話しやすい人数>
インタビューの出席者は、まず、内言と言われる心の中でしゃべる。内言は次に発言するための準備であったり、検閲(話していいのか)、推敲(わかりやすさ)の役割を果たしている。子供も早い時期に、思いついたことをすぐにそのまましゃべるのはよくないということを学習している。
ひとりごとを除いて、2人以上で話すとき、話者(しゃべる人)の切り替えが必要である。これをターンテイキングという。
人間は面と向かった対話状況なら、ほとんど意識せずにこのターンテイキングが行える。(苦手な人も存在するが)
このターンの時間は、他者が話終わってから200ミリ秒と短い。200ミリ秒を越えると間延びした気まずい沈黙が生まれておしゃべりの腰を折る。複数人なら他の人にターンテイキングを取られてしまう。
このターンのタイミングは、現在しゃべっている人の口の動きから「もう、終わる」と判定している。
200ミリ秒のターンテイキングをある程度平等に行うのに4人というおしゃべり人数が最適であるとしたのがダンンバーの研究である。

<モデレーターのコントロール>
モデレーターは対象者に自由にしゃべってもらおうとするとともに、話の流れに従って各対象者がどのような態度変容をしたか、しなかったか、その原因は何がなどを考えながら全体をコントロールしている。
しゃべってもらうこととそれを分析する視点を持ってモデレーションしている。
対象者を4人にすることで、自由なおしゃべりと視覚性ワーキングメモリー容量の問題は、制度的に解決できた。
これによってインタビュー中から出席者4人それぞれの発現内容と態度変容を時系列で追える。
対象者が6人だと、ほとんどしゃべらないフリーライダーがあらわれやすく、分析段階で、印象・記憶がほとんどはっきりしない、いわゆる幽霊対象者が出やすいという体験はモデレーターの間で共通である。
モデレーター体験からも対象者4人とモデレーター1人の5人がFGIの理想形であると言える。
ただ、現実の場面では、ドタキャン対策の必要があり、5人リクルーティングを行っている。
結果、5人揃ったら、無理に4人に減らさず、5人で実施する。
対象者5人までなら、対象者4人と似た効果が期待できる。

 

2026.9

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