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アウラのリサーチソリューション

面接調査の重要性

今、何故、面接調査か

インターネットの普及により、市場調査でも「ネット調査」が盛んになっている。
その中で、我々が人と人が顔をつき合わせる『わずらわしい面接調査』にこだわる理由は、
     消費者の暗黙知のレベル
まで分析したいからである。

市場から情報を収集しそれを分析・報告するまでの全業務

消費者の暗黙知を知るには、「場の共有」ができる面接調査が有利。
インターネットの普及で「明示的な知」のリサーチはダイレクトリサーチになって行く。
(ダイレクトリサーチとは、リサーチニーズの発生時点で担当者がWeb経由でデータ収集し、分析できるリサー チ体系のこと)

インデプスインタビューとグループインタビュー

面接という方法はカウンセリングから始まっています。
カウンセリングは対象(患者)が意識下に抑えつけていること(深層心理)を引き出すのが第一歩です。

対象(患者)は通常1人です。(親子、兄弟、上司・部下などの少人数集団の場合もあります) これをマーケティングに応用したのが「デプスインタビュー」や「ペアインタビュー」です。

デプスインタビュー(ワンオンワンインタビューともいいます)
目的 消費者の深層心理を明らかにする。
テーマ 「大きなテーマ」を扱います。人は「何故」車に乗るのか?
方法 対象者と1対1で面接
テクニック 意識下にあることを引き出すための面接のテクニック

カウンセリングの方法として「グループセラピー」という方法があります。
これは、診断とともに治療をめざしています。
マーケティングでは、グループインタビューが相当します。デプスインタビューより、プラクティカルな方法です。

グループインタビュー
目的 集団としての消費者(市場)の心理過程を明らかにする
テーマ 「小さなテーマ」を扱います。このTVCMはどんな態度変容をもたらすか
方法 3人以上8人までくらいの対象者とモデレータ1人の集団面接

このグループインタビューはマーケティングでの面接調査の主流です。
日常的なマーケティング課題の解決のために活躍していますが、次のような問題を抱えています。
まず、出席する対象者に以下の3つの前提を強いています。

これは理想の消費者です。
消費者は自分のしていること(消費行動)を知っている
消費者は自分のしていることを語れる
消費者は自分のしていることを「正直」に語る

ところが、この前提は以下のように考えるのが妥当な場合もあります。

これが、現実の消費者です。
消費者は自分のしていること(消費行動)を知らない。 (意識していない)
消費者は自分のしていることを本当には語れない。(表現力の個人差)
消費者は自分のしていることを「正直」に語らない。(嘘やお話に過ぎない)

現実の消費者を理想の消費者に持っていくことが、グループインタビューをコントロールするモデレーターの仕事です。
そのために、モデレーターは

  • リラックス/緊張していない状態において対象者を
  • 与えられた課題に集中できるようにし、
  • 聞き手を意識しない場(閉じた発話空間)の設定 にして、
  • 教示、ウォーミングアップ、発問法・対話法などの工夫を行う

-海保博之/原田悦子「プロトコル分析入門」-

ように心がけるべきです。

「グループインタビュー」は消費者のホンネを引き出せるか?

消費者のホンネ(本音)を引き出すのがグループインタビューの役割であると言われることがあります。
確かにその通りなのですが、ここで「消費者のホンネ」について少し整理してみましょう。

ホンネの反対はタテマエ(建前)です。
ホンネを覚られるのがマズイ時にタテマエを言ってホンネを隠すというのが本音と建前の使い分けです。
戦後の一時期、「日本人はホンネをいつも隠している」と国民性として語られたことがあります。
アメリカ人のあけっぴろげなおおらかさとの対比で自虐的視点で語られたと考えられます。
国民性とは別に「ホンネをいつも隠す」人種として政治家があげられます。
政治、外交は「交渉」を手段にして自分の目的(ホンネ)を達成するのですから、ホンネを隠し、交渉相手 に心地よいタテマエを前面に出すのが最善策です。
もっと一般的なのが社会的規範に関するホンネとタテマエです。
「お金儲けをしたいが、がめついと思われたくない」「おいいしいものを食べたいが、贅沢はいけない」などです。給料が高いからこの会社を選んだのに「自分の能力を生かせる」と面接で答えるような場合です。
もうひとつは個人の精神の中で起こる一種の葛藤で、母親にスポイルされた子供が「親を憎むのは悪いこと」と思いつめ、精神のバランスを崩すような事態になる「ホンネとタテマエ」です。

政治的なタテマエ
社会規範によるタテマエ
個人の精神史によるタテマエ
達成すべきホンネ
個人の自由(欲望)のホンネ
抑圧された感情(ホンネは無自覚)

以上あげた政治的、社会規範、個人の精神史の3つの「ホンネとタテマエ」とグループインタビューに参加した消費者がホンネを語るかということには大きな隔たりがありそうです。
まず、政治的にふる舞う対象者はいません。
極めて少ない例として「タバコのGIに嫌煙団体の役員」や「競合メーカーの社員がなりすまして」出席などが考えられます。
社会規範では、現在、地球環境問題と健康意識が微妙な影響を与えます。
「グリーンピース」的、「健康オタク」的な対象者が混じるとタテマエだけが強調される結果になります。
ただ、その人達にとっては我々がタテマエと感じるものがホンネなのでどうしようもありません。
個人の精神史に関してはカウンセリングの問題ですのでここでは考えません。 では、グループインタビューでのホンネとは何でしょうか。

端的にいうと「将来の行動」がホンネです。

出席者6人全員が「この新製品を是非買いたい」と答えたのに買わなかった(売れなかった)とき、消費者 の発言はタテマエ(嘘)だったとなります。
何故、消費者のホンネ(その新製品を買わない)を引き出せなかったのでしょう。
グループインタビュー側の責任としてチェックするポイントは

商品コンセプトの理解と納得が十分だったか
   作成者側の意図と違うものを想定させてしまっていないか
   既存品との差別性がきちんと納得できたか
 
購入意向の確認があいまいではなかったか
   「試しに買ってみたい」だけだった
   「お金を出して買ってみる」気はなかった
   「自分のものとして買わない」が世の中には買う人がいる
   「今使っている(競合品)と同じだから」買うのは当然 
ホンネ

発注者側のチェックポイントは
  製品仕様に重大な変更がなかったか 製造原価から価格を10円上げた
  ターゲットを変更しなかったか 販売目標のため主婦にまで広げた
  流通を変えたか CVSには配荷できなかった
  発売時期は適当だったか 1年延期した
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