コラム
アイトラッキング分析の心得
<準備・企画段階>
- 「とりあえずアイトラやってみよう」は避ける
- 作業仮説を作る。画面(画面、紙面、三次元)のどこに問題がありそうか仮説を作る(目立たない、要素が多すぎる、他)
- データを撮る画面を絞る。画面が増えれば費用も増える。
- 対象者を絞る。リクルーティング費・謝礼費だけでなく、サンプル数いくつくらいで結論が出そうか見積もる。(難しい)
<実施>
- 自然状態でのデータ取得はできない。ただ、対象者には生活場面を想定してもらう。
- バイアスになるが、「いつもより、ゆっくり全体を見てください」と指示する。
- 従って、「見ていた時間」は参考データ。
- データを再生しながらでなくてよいので対象者に必ずインタビューする。(これがないと分析できない。アンケートよりインタビューがよい)
<データ作成>
- 視線データは精確に採取できるが、元の画面とのマッチングに誤差がある(たぶん)
- 個別サンプルデータとサンプル計データを作成する
- ヒートマップ、ゲーズプロット両方か片方だけか分析目的によって決める。
- データ作成は「力仕事」なので時間がかかる。
<分析>
- 視線の集中の意味を考える、インタビューから判断する。
「よくわからない」から注目したのか、「気に入ったから、関心があったから」注目していたのかを識別する。 - 画像・図像と文字・数字では理解のスピードが違うことを意識する。人や動物の顔に反応しやすい。特に異性や子供。
- 「周辺視野」も考慮しながら分析する。(サッケード現象)
- 視線の動きには生物学的傾向がある。
①ひとつの画面でヒートマップの濃い(赤い)部分は6~7か所以下である。(マジカルナンバー7)
②四角の画面では左上から始まり、中央に向かい左下、右下、右上に視線は流れる。(サッケード的にジグザグするが)
③ヒートマップの濃い部分は左上部を起点に同心円的に薄くなる
2016.7