コラム

簡易的アイトラッキング

アイトラッキングとは人間の視線(瞳孔)の動きを自動的(機械的)に記録することをいいます。
Webデザイナーの意図通りの順番に画面の各部分に注目し(遷移)ていくか、どの部分で注目(滞在)時間が長いかなどをチェックしたり、スーパーマーケットの棚割りの優劣を決めたり、という使われ方が一般的です。
マーケティング以外では認知心理学で赤ちゃんがヒトの顔のどの部分で母親か他人か、笑っているか(友好的)、怒っているかを判断しているかなどの実験にも使われたようです。
当初は装置が大きく、いかにも実験という印象でしたが、小型・軽量化が進んで対象者にほとんど負担を与えずに実施できるようになっています。
分析は、視線の動き(注目点の推移の順番が線分で表示)とある部分への滞在時間(濃度マップとして表示)の2つのデータを元に行います。
装置メーカーはTobii社のものが有名ですが、非常に高額です。
頻繁に行われる分析ではないので装置を持っているリサーチ会社もほとんどありません。(レンタルも高い)

そこで、アウラでは簡易的アイトラッキングとプロトコル分析を結びつけて「安くて、有効な」アイトラッキング分析を行っています。(プロトコル分析は前回コラム参照)

  • まず、アイトラッキングの対象となるWeb画面・雑誌、売り場などを作っておきます。
  • そこに、普段と同じ状況(買い物)で自分の注目するポイントに番号をつけてもらいます。
  • ポイントとは写真(フラッシュ)、図表、タイトル、文章などです。

ここまでで遷移図が得られます。
その後、対象者にインタビューしてプロトコルを聴取します。
このとき、豊富のプロトコル情報を得るために簡易アイトラッキングのときに「後でいろいろ伺いますから、各部分に視線が行ったときの理由・気持ち・評価を意識しておいてください。」と依頼します。
こうして、注目プロトコルが得られます。(アイトラッキングの滞在時間マップの代替です。)
この遷移図と注目プロトコルを使って、消費者心理の分析を行います。

この方法の最大の利点は、

  • 滞在時間マップ(濃淡)の理由が消費者自身のコトバとして収集できる。
  • 安価であること、やりかたが簡便であること。

の2点です。
不利点・問題点は、

  • 対象者の合理化を経た視線であるし、視線が最後まで追えない。(生理学的に不備)

であり、いわば、「科学的ではない」という批判です。
ただ、この方法はリサーチテーマによっては非常に安価で有効な方法論です。

詳しくは、アウラ石井か平野までお問い合わせください。

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