コラム

行動観察のインタビュー

第15回アウラセミナーで「行動観察のインタビュー」を実践した。
まず、行動観察の基本として「動物行動学(エソロジー)」的な観察を行った。
結果は仮説通りに男女差が観察できた。
それを少し無理はあったが「ティンパーゲンの4つの何故?」に基づいて解釈した。
至近要因、個体発生要因として、

  • 男女の骨格構造の違い
  • 特に四肢、上腕と肘の曲がり方 を解釈し、究極要因、系統発生要因として、
  • 人類の歴史の99%は狩猟生活であること
  • 男の骨格は「投擲」に適して、女は採集や子供抱くという細かい作業に適して「自然淘汰」された

という解釈を当てはめた。(これは小林朋道さんの本に全面依存した)

次にマーケティングの行動観察として「IDEO社」の地下鉄駅構内の自販機の販売増のための提案を取り上げた。
これは実際の行動観察はできなかったが。
最後に、通常通りにリクルーティングしておいた対象者にインタビューしてもらった。
テーマは、

  • FF店でのメニュー選択プロセスを明らかにする
  • 同時に店頭での改善点を提案する

ということにし、「インタビュー → 行動観察 → インタビュー」というステップを踏んだ。
これで得られた(インタビュー)方法論の可能性は以下の通りであった。
行動観察は、(インタビュー)対象者が持っている次の3つの困難

  • 消費者は自分のしていること(消費行動)を知らない。 (意識していない)
  • 消費者は自分のしていることを本当には語れない。(表現力の個人差)
  • 消費者は自分のしていることを「正直」に語らない。(嘘やお話に過ぎない)

①自分の行動の「意識化」を促す(本人に自分の行動のビデオ録画を見せると効果大)
②表現を助ける(インタビュアーと行動直後に会話することで表現が豊富になる)
③実際の行動を観察しているので、それが「ウラを取る」ことになる

という方向で解決してくれる可能性が大きいことがわかりました。
もちろん、全てが解決とはなりませんが、「行動観察のインタビュー」によってグループインタビューの方法論の閉塞を破る可能性はありそうです。

2011,2

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