コラム

ハロウィンインタビューの試み

   アクティブインタビューの方法論に追加できるか

2014年12月4日にハロウィンインタビューの実験をおこなった。
テーマは『マクドナルド低迷の原因を消費者側から探る』とし、5人を機縁法でリクルーティングした。
条件は以下とした。

  • 25歳~44歳の子持ち主婦
  • 今年に入って5回以上マクドナルドで商品を買った人

結果を簡単にまとめてみた。

バースデーチェーン
   対象者同志で誕生日を聴きあうのではなく、モデレーターが主導するようにした。
   2分程度で終わったが、対象者同志は一気に打ち解けた。
   バースデーチェーンによる席決めは有効な方法である確信が得られた。

他己紹介
   他己紹介の体験者が5人中1人いた。普及してきたのかもしれない。
   他己紹介の補充情報として、全員スマホ、全員LINE、mixiは過去形、FBはわずかだった。
   ネットがスマホメインになった人が1人、宅配新聞は1人のみ。
   雑誌を読むのは2人。立ち読みが1人であった。

マックのポジション
   マックをハンバーガーの店として位置付けていない傾向がある。
   ハンバーガーが食べたいと思えば、もっとおいしい店があるし、そこに行く。
   ちょっとした時間があった時に「ポテトだけ。飲み物だけ」といった利用も多い。
   マックは、
      夫との買い物、子供の送迎、などの「ついで」に「安く」休憩できる店
      子供が「食べたい」と言ったときや夕飯作るのがめんどうな時の緊急避難の店
   として利用されている。(夕飯に使うことがある人は1人だけ)
   ジャンクではあるが、どこにでもあって、安い、手軽(持ち帰り、ドライブスルー)で便利な店である。

マック体験史
   子供の頃、母親に連れられて行って、いつも決まったものを食べさせられていたという人が多かった。
   高校生になって、始めてマックに「こんなにいろいろなメニューがあるんだと」発見したそうである。
   大学生、OL時代、結婚当初はマック離れを起こす確率が高い。
   復活するのは子供ができて、ママ友との付き合いが始まるのがきっかけである。
   (妊娠中は無性にジャンクフードが食べたくなるらしいが)
   子供の頃、「マックの肉は何の肉かわからない」との都市伝説を信じていた人もいた。

最近のマック評価
   新しいバーガーを次々に発売して、ことごとく失敗していると思われている。
   当初は、試してみたがおいしくないので定番に戻ったり、ハンバーガーを食べなくなってしまった。
   定番になりかかったものも簡単に発売中止になって、自分達も混乱させられた。
   (おいしかったのはテキサスバーガーまでかな?という印象)
   さらにセットの価格が上がり、クーポンの割引率も悪い印象。(290円のセットがなくなった)

メタファー法での発見ワード
   メタファー法から出てきたイメージは以下のようなものである。
      <動き回る子供と少し疲れた母親>
      <海といっても湘南くらいのそんなにきれいではない海>
      <こんな田舎の子供も知っている>
      <外国人のバカンス>
      <疲れてどこかで休息、子供は公園で探索>
      <子供中心で子供は遊んでる。炭酸飲料>

    インタビューだけよりもイメージが膨らんだと考えられるのは

  • 子供と母親が対比でとらえられていること
  • 高級感や上質感をそれほど評価していないし、期待もしていないこと
  • グローバルという意味も含めて全国津々浦々展開されていること

などのイメージである。

店舗観察・マックカフェ
   アクティブインタビューの方法のひとつ、対象者による(行動)観察をおこなった。
   恵比寿のマックを観察してもらった。
   恵比寿のマックは2階が「マックカフェ ヴァリスタ」で、そこを観察した結果、
   自分達が普段行っているマック、やマックカフェと違って、

  • 大人、都会、喫茶店、社会人向け、カフェ、スタイリッシュ

 で自分達、子供連れを拒絶しているということであった。
これらは

  • 看板にヴァリスタと書いてあった
  • 大人っぽいインテリア(妖怪ウォッチは後ろ向きにされてた)
  • 1人がけ、2人がけで、おしゃれな椅子
  • おじさんがPCで仕事してた(来客の観察)
  • 制服がシック、ケーキメニューがあった。

などのイメージである。観察結果によっている
 そして最終的に「店が静かだった」ことが、普段よく行く店との最大の違いで、そのことが子ずれを拒否していることに気づいていた。

ハロウィン
   「最近マックに行かなくなった女子高生」で各自にペルソナを作らせた。
   そのペルソナになりきってもらい、ネームプレートもニックネーム書き換えさせた。
   「役作り」の時間を経てペルソナインタビューとなった。
   結果は、「無理がある」「やりずらい」ということで、笑うばかりで期待通りではなかった。
   そうした中で、発見できたポイントは、
      長居するので、ドリンクバーが欲しい
      彼が大学生だからスタバも覚えたし、友達が行くならいく(背伸びするとマックは外れる)
      高くなった。こってるバーガーとか出てきたし。
      太る、健康に良くない。ガマンする女子高生だから
      たまに食べたくなる。おやつにするにはガッツリすぎる
   などの女子高生ならではの視点の意見と言えるものが拾えた。

 *1月7日に第2回のハロウィンインタビューを実施します。  
このときと同じ対象者をリクルーティングし、今度は違うペルソナに仮装(変身)してもらいます。

*まだ、残席あります。是非ご参加を

 

2015.1

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