コラム

マーケティングインタビューの「ディープ・スマート(Deep Smart」

前回ディープ・スマートというコトバを取り上げた行きがかり上、自分の領域でのディープ・スマートを考えました。
考えれば、考えるほど「DeepSmart」の定義がいいかげんだったことに気づきますが、とりあえず、モデレーションでのディープ・スマートは何かを考えました。

モデレーションのディープ・スマートは、クライアントと対象者から次のように言われた時に達成?されたと考えてよいと思います。
クライアントから「こっちが聞きたいと思ったことを(メモを入れなくても)次々と聞いてくれたので助かりました。」とデブリーフィングで言われた時。
もうひとつは、対象者に「自分は普段こんな風に考えて(行動して)いたんだと気づきました。」と帰り際に言われた時です。
両者ともめったにあることではありませんが、1回もないというモデレータはもっと努力すべきでしょう。

このディープ・スマートを腑分けしてみます。(最も分析できないのがディープ・スマートですが)
今あげたモデレーションのディープ・スマートは、マーケティング知識、当該ジャンルの知識、論理的思考力、面接力などに分解できますが、そのほとんどは、「プロービングの技術」といって間違いありません。
プローブの基本は、このHPの「インタビューのテクニック」で述べています。
それ以上のディープ・スマートと言えるプローブ技術は、以下の点を意識することで獲得できます。

  1. クライアントのマーケティング戦略の先を読む
  2. 商品・サービスの改良の方向を考える
  3. 対象者を1人の人(全体)として受け入れる
  4. 対象者の生活の具体的場面を想像(イメージ)する

1と2は「勉強」と「綿密な打ち合わせ」でなんとかできますが、3と4は具体的な勉強の方法がわかりません。
スポーツ、ゲーム、料理、職人技のように、体を使って実際の「作業」を行う中である時「あっ、できた!」と小さく叫ぶような過程でしか達成できないようです。
正に「ディープ・スマート」と言えるものです。

結論は、他の分野のディープ・スマートと同じように、数多く「現場」をこなし、「現場」から離れないことが大切ということでした。

2005,3

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