コラム

金融危機とリサーチ

今回の景気後退の現状説明として「金融危機が実体経済に影響を及ぼしてきた。」ということが言われています。
サブプライムローンだけでなく多くの債権を組み合わせて「商品化」し、その商品の取引(市場)がバブルを形成し、それがはじけた結果が現在ということらしいです。
「大風が吹いて、桶屋が大損こいた。」的でわかったようでわかりません。
わからんことは「調査」してみればいいのですが、このテーマは我々マーケティングリサーチには無理なテーマです。
ある意味、新商品のコンセプト受容性より重要で切実なテーマなのに我々はほとんど無力です。
そこで、初夢にはまだ早いのですが、マーケティングリサーチの夢を見てみたいと思います。
それは、ある消費者の「消費の連関表」を作るという夢です。
具体的にどうするか、どこから手をつけるかは夢なので問わないことにしておきます。

貯蓄、税金、ローン、商品、サービス全ての支出項目を細部(ブランド、容量)まで調査します。
一定期間のトレンドデータとして、支出項目間の相関関係、ブランド別の力関係、サイズ・価格の変遷、など考えられる全ての連関を分析すれば、消費の連関ができるのではないかと考えます。
これを個人だけではなく、サンプリングに基づいて実施すれば、「消費」から経済全体がつかめるのではないでしょうか。

経済全体の動向にほとんど口だしできないマーケティングリサーチャーの見果てぬ夢です。

2008,12

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