コラム

(コトラーの)4PとMR

マーケティングの4Pといえばコトラーが提唱したものとさっきまで誤解していた。
ググってみたら、1960年にマッカーシーという人が提唱したもので、日本に「上陸」したのは1970年代だそうだ。
リサーチャーとして駆け出しだったころ、明星食品の中華三昧の成功要因をこの4Pを使って分析したら、非常にわからいやすいと評判をとって、クライアント各社にプレゼン行脚をした記憶がある。
その時からうっすらと思っていたことだが、「4つに分けるのは強引じゃないか」ということである。
特にリサーチの視点から言うと最初のP(=Product)のウェイトが圧倒的なのである。

  • Priceがリサーチのテーマになることはない。
  • Placeでは「リサーチ」にカネを払うということは考えない。
  • Promotionの効果測定は困難

というような状況には大きな変化はないのではないか。

価格に関して言うと、価格付けと価格弾力性がテーマになるが消費財市場では「競合関係」が厳しいので自社で考えた価格設定は不可能である。
全くの新ジャンルであれば、自社での価格付けも可能だが、そんな新ジャンルはほとんどない。
価格弾力性も製品ジャンル全体を指標にすれば計算できる場合もあるが、MRのテーマであるブランドレベルになるとほとんど競合関係の中に埋もれて弾力性は分析できない。

流通がちからを持って川上(メーカー)に支配力を及ぼすようになってきているが、流通業はMRにカネをかける、情報を買う、ということに基本的に関心がないように昔から思っている。
表現は悪いが「場所を貸すだけで、何銭単位の利ザヤを積み上げる商売では情報や知恵はタダないとやっていけない」と考えているフシがある。
棚割り調査と入店・来店客調査とかあるが、基本ケチなため費用はメーカー負担の場合が多い。

プロモーションは広告を中心とした調査が多い。
ここでもベンチマーク的に広告ごとの接触率を取る以外のMRの規模は小さい。(ビデオ・リサーチだけが儲かる)
広告作品に関する調査も新製品(Product)開発のプロセスに組み込まれる場合が多い。

このようにMRからマーケティングを見るとほとんどがProductのPを見ていればよいことがわかる。
Productを新製品開発過程と既存品の再活性化の2つに分けた方が良い(使える)分類であろう。
我々は常にProductに注目すべきである。

2013,4

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