コラム

リサーチのデザイン

「リサーチデザイン」というテーマを考えている。というより夢想している。
リサーチデザインの定義を

  • リサーチのプロセスでアクティビティに重点をおいて素材とその組み合わせを組み変える
  • リサーチのアウトプットでは、マーケティングテーマとの適合性を重視して制作する

の2点に仮置きする。
企画段階をすっ飛ばしているが、リサーチ企画にはデザイン要素は必要ない。
パワポシートを美しく作るくらいのことで済む。

リサーチプロセスのデザインとは、市場(ジャンル)、対象(サンプル)、質問(回答)などのリサーチ素材を組み合わせる「スケッチ」を何度も書きなおし、最適な組み合わせを作り上げることである。
しかもリサーチの進行に従って、スケッチ(デザイン)は何度でも書き直す。
アウトプットのデザインもプロセスのデザイン変更と共に何度もスケッチされる。
当然、マーケティングテーマとの整合性も考慮するので、スケッチは何枚も書かれる。
そして、最終的にはマーケティング意思決定にスマートデザインされたアウトプットが得られる。
デザインのプロセスは錯綜するが、結果はスマートに、ということである。

調査設計という考え方では、初期の設計段階で、きっちりと決めておかないとスタートできないし、あいまいなままスタートすると混乱し、最悪、中途でストップしたり、アウトプットが違ったりする。
そのため、工場での生産のように計画と監視と検品が重視され、デザインは無視される。
合理的ではあるが、発見や新規性は期待できない。
そもそもマーケティングは工場生産よりも職人の器用仕事(プリコラージュ)に向いていると思う。
マーケティングリサーチのプリコラージュにはデザイン発想、無数のスケッチが有効である。
以上、妄想ですがが、何とかとっかかりを見つけて行きたい。

2013,10

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