コラム
セカンドライフ市場再考
セカンドライフというコトバを最近聞かなくなりました。
- 「第二の人生」の意味のセカンドライフ
- 「もうひとつの人生」の意味のセカンドライフ
我々が、取り上げようとしているのは前者の意味のセカンドライフです。
セカンドライフ市場は、当初、シルバー市場、シニア市場などと呼ばれていました。
この市場がテーマになったのは、
- 日本の人口ピラミッドが崩れ、高齢層がボリュームゾーンになる。
という人口統計からの将来予測がきっかけでした。そこから出てくる市場の予測は、
- 生産人口の相対的減少による経済成長の鈍化、あるいはマイナス成長
- 消費意欲、消費量が衰退した層が増加するので、個人消費も衰退
と、生産も消費も縮小する悲観的なものでした。
その反動ということではないと思いますが、
- 定年延長や再雇用で「匠の技」を伝承し、持続的成長をめざす。
- アクティブシニア(ニューフィフティ)と捉え直して消費も活性化の方向をさぐる。
と楽観的に考える人も出てきました。
悲観的観点からのセカンドライフ市場は医療、介護、葬儀市場に限定される傾向があり、改めて「セカンドライフ市場」と捉え直す必要はないようです。
シルバー市場は、楽観的、積極的な観点から見直してこそ価値あるものになります。
2つの視点がゴチャゴチャのまま、セカンドライフ市場を捉えたため、この市場特有の商品もサービスも開発できなかったと言えるでしょう。(富裕層市場の考えも混入していました)
そこで、改めてセカンドライフ市場を45歳から64歳までの20歳年齢間をターゲットとして捉え直すことを提案します。
65歳以上は、いわばサードライフ市場として、人生の幕をおろす準備市場と定義したいと思います。
サードライフ市場では、一部の富裕層を除いて「守りの消費」姿勢が徹底するはずです。
従来のセカンドライフ市場論は、50歳以上とか60歳、70歳以上とかで下限だけ決めて上限をあやふやにしたために市場のプロファイリングに失敗したとも言えます。
我々の新しい定義では、65歳以上はサードライフ市場としてセカンドライフの卒業年齢としたいと考えます。
この新たなセカンドライフ市場の特性を分析したいと思います。
(手始めに今回のアウラセミナーでグループインタビューを実施します。)
2008,11