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コラム

迷いのセカンドライフ市場

前回、セカンドライフ市場を45歳から64歳までの20歳年齢間で捉え直すという提案をしました。
そして、11月10日、11日のアウラセミナーでこのターゲットにグループインタビューを行いました。
結果は、「セカンドライフ市場はまぼろしだった。」です。
ありもしない、生まれもしない市場を幻想していただけのようです。
まず、「セカンドライフ」という概念が理解できていませんでした。
そこで、セミナーのメンバーが、

子供の独立や仕事が一段落し、ある程度自由にお金と時間を使えるようになった生活

という定義を作って提示してみて、やっと自分達のことだと理解できたようでした。
この定義に当てはまるのは、

  • 男性は55歳~58歳
  • 女性は45~50歳

という結論になりそうでした。
一応、セグメント出来そうですが、この時期がその前後(特に後ろ)の時期に比べて特徴的な消費行動をとるとは考えられませんでした。
意識の上では70歳以上の老後の生活まで含めたセカンドライフでした。
これでは、改めてセカンドライフ市場をターゲティングしても意味はありません。
従来の老人市場・老後市場のままでよいのではないでしょうか。
男女差では、男性が悲観的で暗く元気がないのに、女性は楽観的で明るく元気という、現在の日本のどの世代にも共通の男女差が観察出来ました。

商品、サービスのコンセプトも評価させましたが、

  • 他人からは「らくらくホン」に見えないらくらくホン
  • この世代の男性向けのセレクトショップ(じいさん向けユニクロ)

の2点に可能性がありそうでした。受容されないのは、

  • サークルや会費のある会員組織でした。

囲い込もうとの意図がすぐにわかってしまうようです。
金融危機が実体経済にまで及んできた現在、セカンドライフ市場より現役世代向けの商品企画を考えましょう。
不景気を払うには「将来に希望を持って、積極的にリスクをとる人を増やす」のが一番らしいですから。
当然、老人には「将来に希望が薄く、だからリスクを避ける」生物学的傾向があります。
でも、「積極的にリスクをとる人を増やす」と、それはまた、どこかにバブルが発生するということになりそうです。
その場所に一歩先に行って、半歩先に脱出する。
どなたかその場所を教えて下さい。リサーチではわかりません。

2008,12

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