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コラム

シニアは2度目でホンモノになる

何年か前に「セカンドライフ市場再考」というコラムを書きました。
http://www.auraebisu.co.jp/column/senior/senior_05.html
その中でセカンドライフが死語になりつつあると書いていましたが、今やセカンドライフは完全な死語です。
シニア市場という言い方が実態に合わないとして、「年寄り」の意味ではなく「第二の人生」の意味をマーケットに与えようとしたのでしょう。
流行った当初は。Web上でアバターを使って文字通り「セカンドライフ」生きるというゲームのようなサイトがあったはずですが、そちらも最近、とんと聞きません。
今や「マーケティングリサーチャー」の特集も「シニア市場」という表現になっています。

シニアのインタビューはいろいろなテーマで継続的にやっていますが、自分なりの定義は、

  • 新たな「家族形成意欲・能力を失った」家族・カップル、独身者
  • 末子が高校生になった時が第1期シニア期
  • 末子の学費負担がなくなった時が第2期シニア期

というものです。(男女差が大きいのですがここでは無視しておきます)
この定義に最近、

  • 孫が遊んでくれなくなった時がシニアの完成期

というのを付け加えました。
家族形成を行ってきたカップルは子供の自立で、年齢(シニア)を自覚します。

  • 子供が一緒にキャンプやBBQ、家族旅行に行ってくれなくなった時
  • 学費や小遣いをせびらなくなった時
  • 子供が結婚した時

この3つが妥当なメルクマールでしょう。
ところが、ここまで来て時間を逆転させるのが孫の誕生です。
シックスポケッツの一翼をにない、「疑似家族形成」を体験できます。
残念ながら、この時期は非常に短く、孫は小学校に入るころは「ポケット」の機能しか期待しなくなります。
家族から、2度目の疎外感を感じることで、心身ともにホンモノの「シニア」となるのです。
この後は、保ってきた健康、積み上げた資産、築いてきた人間関係、前向きの意欲・姿勢、などのすべてが崩壊していくのです。
シニア市場を考えるということは、そういった集団を相手にマーケティングを考えるということです。
あまり、おもしろいことは期待しない方が良いのかもしれません。

2013,3

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