コラム
ブロードバンドと消費行動
グループインタビューの対象者に限って言うと、6~7割の人が日常的にインターネットを使っており、そのうちの8~9割がADSL、光、CATVなどのブロードバンド化をはたしています。
ブロードバンドは、
- ネットを無料で使える(実は定額料金だが、タダという感覚)
- いつでもネットできるようになった。(今までは電話料金の安い時間帯に限定だった)
- サクサク動く(動画を見る機会はまだ少ない。PCの性能は別問題)
から、時間を気にせず使えるという恩恵を消費者にもたらしています。
このことが、消費行動にどう影響しているでしょうか、グループインタビューでの発言から探っていきます。
まず、生活全般から
- 朝起きるとPCをたちあげる。(PCのスイッチを切らない人もいる)
- リビングの中心にPCモニターがある。(液晶画面になった)
- ニュース、天気予報、イベント情報はネットで調べる。
- 少数だが、家庭内LANNで家族が各自ネットにつながる。
というような変化が起こっています。
新ブランドのコンセプトチェックの場面では 、この変化が進行すると古い媒体(電波、紙、電話、FAX、口コミ)が駆逐されるようですが、必ずしもそうはなりません。
- PCの画面を見ている時間が増えたが、TV画面もよく見ている。
- 新聞の定期購読を止めた世帯は少数。(1人暮らしの人は以前から新聞をとっていない)
- メールのやりとりをしても、電話はする。(長電話は減ったかもしれない)
などの発言が目立ちます。
古い媒体の中ではFAXの使用が最も影響を受けているかもしれません。
FAXによって小学校の連絡網がなくなった(私立)という発言を聞いて驚いたのは10年くらい前だったと記憶していますが。
消費行動の変化では、
- 産直など取り寄せものをよく買うようになった
- チケット類はネット経由で買う
- 家電品などは「カカクコム」を見て店に行く
- 気になる新製品はそのメーカーのHPで検索する
などの発言が多いようです。
通販関係、レジャー関係がネットの影響が大きく、次いで買い回り品、最寄り品はあまり大きな影響はないといえそうです。
これらネットがらみの消費行動の特徴として、
- ブランド選択(シェア)のロックイン現象が起きやすい
- ブランド選択の「認知的不協和」解消の要求が高い。
- 一物一価の考えは崩壊している
- Someone意識が強い
などがあげられます。
次回からは、この4つ特徴について考えます。
2004,2