コラム
PCかケイタイか
昨年ですか?、ネットに携帯からのアクセスする人が、PCからの人を上回ったというニュースが流れたのは。
全年齢層でそうなのか、人数ベースなのか、アクセス数ベースなのか正確なことは憶えていませんが、「えっ、そうなの!」と思わせるインパクトはありました。
グループインタビューの現場でも自己紹介の時に「新聞、テレビ、雑誌、ネット、ブログ、SNS」との接触状況
は必ず聞くようにしています。
その反応からの感想でいうと25歳より若い層を中心に携帯だけからネットにアクセスする人は増えています。
そうなったストーリーの一例として、
- ものごころついた時からネット環境があった(家にあった、小学校で習った)ので好奇心は強くない。
- だから、手近にPCがあっても積極的には「さわらない」で成長した。
- 自分で稼ぐようになったら、PCに10万以上金を使うより、楽しい使い途はたくさんある。
- 現場系の職場ならPCは使わない、使ってもネットは関係ない。(セキュリティが厳しい場合もある)
- 一方、携帯電話は中学校(早い子は小学校)から使っていた。
- 携帯をいじっていたら、いつの間にかネット接続していて、買い物までしている。
というものがあります。
この人達がPCのネットに移行する確率は低いようです。
理由は、現在PCからネットにアクセスしている人を含めて、
- PCは携帯ほどギアとしての魅力がない。(他人には見せないし、関係ない機能が多すぎる)
- PCは「仕事臭さ」がプンプンして楽しくない。 ← 「マッタリ」使えない。
- 開梱してすぐには使えない(らしい)。勉強や詳しいヤツに教えてもらうのはメンドイ、ダルイ。
- 立ち上げるのに時間がかかる。(立ち上げ時間の「イミわかんない!」)
- 家にいない。(遊ぶのに忙しい)
- 情報は「現場」で役立てばいい。(情報の詳しさ、蓄積よりも「今から飲める安い店」を知りたい)
というようにPCそのものに魅力を感じておらず、一方のケイタイには強い利便性を感じているからです。
PC派が攻撃するケイタイの使いずらさ
- 画面が小さい
- Web全体が閲覧できない
- パケット料が高い ← パケット定額でない人は特に
などは、現地、電車、ベッドの中でもネットが見られる利便性、プライーベート性には負けてしまいます。
もうひとつのストーリーは、
- PCで長いことネットをやっていて、中毒だったこともある。
- 結婚、引っ越し、PCが壊れる、などで突然、PCなしの生活になった。
- PCを買おうか(でも高いしなー)、修理に出さないと(めんどくさいなー)、と迷っているうちに
- ケイタイでも結構使える。問題なし。かえって便利
- どうしてもPCと言うときは、(ダンナの)会社でやればいい、実家に行った時でいい。
となって、PCネットから離れてしまうストーリーです。
これは、はっきりとは分析できていませんが、ケイタイネットだけの若者の傾向として、
- 情報ニーズを含めた生活全体を、地元中心に通勤圏内に「閉じて」いる。
- しかも、意志的にそうしているとは感じられない。
というものがあります。
彼ら彼女らにとって「www」は「イミわかんない!」ものなのでしょう。
2008,4