FGIの革新 アクティブインタビュー
プロービング
プロービングのやりかた
モデレーターの重要な技術のひとつにプローブがあります。
対象者の発言に対して常に「何故、そう思うのか」「何故、そう感じるのか」をプロービングしなさいとモデレーター教育で教えられます。
そして、その通り「何故?」を連発して対象者を萎縮させ、しゃべれなくしてしまうモデレーターを見かけます。
そこで、プローブの方法を鈴木淳子著「調査的面接の技法」をもとにして整理してみます。
鈴木さんはプローブを次の6つに分類しています。
|
食品のコンセプトチェックのグループインタビューで、対象者が「どうせなら、健康にいいものを食べたいよね。」と発言したとします。
この発言に対してプローブすることは山ほどあります。
「どうせならということは、そうでないときもあるのか」 |
など、1.~6.にあげられとことのほとんどがプローブされます。
もし、これだけプローブしたら、対象者は
- しつこい人(モデレーター)だな
- 自分は何か間違ったこと言ったのかしら
- 責められてるみたいだな
と思うようになって、他の対象者も「しゃべらない方がいいかも」とグループ全体が萎縮してしまうことがあります。
ここでは「健康にいいものとは具体的に何ですか」程度のプローブが妥当です。
鈴木さんがあげている1~4は「対象者の不完全な発言(ほとんどの発言は不完全)を補う」プローブです。
日常会話ではこれらのことはプローブと意識されずに行われています。
もちろん状況依存的に改めてプローブしなくても「理解」できるのが「会話」ですが。
マーケティングリサーチのインタビュー調査のプローブの目的は、鈴木さんのあげている5と6です。
その時のテーマにそって対象者(グループ)の気づいていないことにも気づかせる。 |
ことがプローブの本来です。
例えば、
新製品のコンセプトを提示したときに「買いたい」と言った対象者の理由が「どうせなら、健康に‥」だとしたら、しつこくプローブして対象者に
自分はこの新製品が買いたいというというより、世間で健康によいと言われている |
と気づかせて、
改めて今回の新コンセプトの特徴に注意を向けさせて評価をとる。
これがマーケティングリサーチのプローブです。