FGIの革新 アクティブインタビュー
プロービング
プロービング
グループインタビューでの自己紹介の目的は、出席した対象者同士のラポール形成と雰囲気を和ませるためのウオーミングアップとされている。
時間の無駄だから自己紹介は省略してすぐにテーマに入れという要求がクライアントから出ることもあるが、日本人はシャイであるため、やはり自己紹介の時間は必要であろう。
グループインタビューの自己紹介は、一般消費者が対象であれば、普通、
- 名前、住まい、同居家族、仕事内容
- 趣味、よくやること
- テーマまわりの属性(クルマなら所有車種、利用の仕方)
などである。
この自己紹介は定型的に行われることが多いが、ここにモデレーションのテクニックが隠されている。
それはプロービングである。
たとえば趣味を聞いて「スポーツクラブに通ってます」の発言を聞いて「いつから?」と反応しないといけません。
そうかといって、他の対象者の趣味に関して「いつから?」とステレオタイプに聞くのはアホです。
そうではなく、
- 質問vs回答ではなく、会話が基本であることを対象者に知らせる。
- あなたの回答に必ず反応します。(追求します)
ということを対象者に感じさせる意味でのプロービングを心がけます。
これをやっておくと、
- 個別対象者のプロファイルがはっきりする
- グループ全体の雰囲気が醸成される 効果があります。
対象者の発言は常に不完全で、そのときの文脈(空気)に依存しています。
その空気を大切にしつつ、あなたの発言には重大な関心を持っていますよ。という宣言を各対象者にするのが自己紹介なのです。
自己紹介段階から「聞き漏らし」に注力するモデレーターは失格です。