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アイトラッキング
アイトラッキングと分析
6月1日に「アイトラッキング組み込んだインタビュー」というテーマでTobii社と共同開催のセミナーをやる。
アイトラッキングとは「視線」の動きを自動的に追尾し、「今どこを見ているか」「今、どこの視線が行っているか」を機械的に記録する装置である。
出てくるデータは、視線の動きの時間的な経過と滞在時間(注視)が、見ている対象(パッケージやWeb画面やスーパーの棚など)の部分ごとに記録されたものである。
画像とともに記録されるので後で再生することも、視線の遷移や注視時間として集計することもできる。
このアイトラッキングデータをマーケティングリサーチでうまく活用するために、インタビュー調査にデフォルトで組み込むことをめざそうというのが本セミナーの趣旨です。
ここでは、ヒト(生物)が眼でモノを見るとき、どうして視線を動かすかということを考えます。
- 対象(見ているモノ)が動けばそれを追尾する
は当然のことです。ところが、
- じっと対象(モノ)を見つめている時も眼は相当早いスピードで動いている。
ということらしいです。
これを「サッカード現象」と言います。
(じっと見つめ合う恋人同士の眼も不安気に動き回っているらしいのです)
モノを見るためにはこのサッカードが必要です。
- 同じ刺激が続くと網膜(視神経)は「慣れ」てしまって感知しなくなるので、常に刺激を更新する必要がある。
- モノの認識には輪郭や大きな刺激をトレースする必要がある。
このサッカードを始め眼が付いている「頭」の方向をコントロールしているのが脳の「上丘」と言われる部分です。
上丘はサッカードなどの自動運動だけでなく、注目している方向に頭を向ける、視線を向けるなどの意図的な運動もコントロールしています。
上丘には2つの方向から情報が入ってきます。
ひとつが網膜から直接来るもので、急激に動いたり、輝いたりする方向に視線を動かしたりできます。
網膜からの視覚情報は上丘を経ないで、視床→視覚野→頭頂葉→を経て前頭葉に達し、認識や情動を生成します。
この経路が普通「見る」「見た」という認識を産みます。
上丘に来るもうひとつの情報はこの前頭葉からのものです。
認識や感情が視線の運動に影響するわけです。(影響するはずです)
好きという感情や美しいという感動があれば、その部分をより長く注視することになります。
この上丘に来る2つの情報経路の違いをアイトラッキングデータとインタビューを組み合わせることで明らかにしたい。
というのが今回のセミナーです。
- 自動運動として認知のために動く視線
- 認識、感情、評価など高度な認知機能のために動く視線
を区別して対象者にインタビューすることで分析の厚みが出ると考えています。
もちろん、1回でうまくいくとは考えていませんがチャレンジします。