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第17回アウラ・コキリコセミナー

このセミナーは終了いたしました。

 

飲食品は単においしいだけでなく「こだわりの強いおいしさ」を追及しないと生き残れない。
つまり、「嗜好」の追求になる。
嗜好は、「あっちの方がおいしいと思うが、こっちの方が好き」という状態、もっと極端に言うと
「これ、あまりおいしいとは思わないが、何故か好き」という認知・行動である。
嗜好を「味覚(おいしさ)の好みの個人的偏り」と定義しておく。
味覚は五感のひとつだが、おいしさは味覚だけでなく、他の4感との統合感覚でもある。
このおいしさの嗜好を認知(インタビュー)と知覚(生理計測)の両者で把握したい。
*ここではおいしさで表現しているが、実は味覚の統合感覚を表す適切なコトバがない。
 風味という表現を使う人もいるが、スッキリしない。


おいしさは統合感覚(多感覚)

よく言われるように「おいしさ」は味覚だけでなく、嗅覚、視覚、聴覚、触覚を含めた総合感覚である。
嗅覚の味覚への影響が大きく、風邪などで鼻が詰まると味覚がなくなったり、相当鈍くなる。
視覚が「おいしさ」に関わるのは暗闇で食べたり飲んだりすると微妙な味の違いが識別できなかったりリサーチでよく話題になるビールのブラインドテストでブランド識別が弱くなるなどの例がある。
聴覚も影響が大きく、「プリングスの実験」で、ポテトチップスの試食テストで高周波のパリパリ音を被験者に聴かせた方がおいしいの割合が増えるという実験がある。
触覚もおいしさ評価に重要で、辛味・涼味の受容体は温感であり、触覚の神経回路を通る。

基本五味以外にもある味覚

甘味、塩味、酸味、苦味、旨味が基本味覚とされている。
これに脂肪味を加えようとする動きが欧米で、コク味を加えようとする動きがアジア圏であるらしい。
アジア圏の我々はコク味はわかるが、脂肪味とは何かはわかりずらい。
この他に辛味・涼味、渋味も味覚と言えるが、カルシウム味、金属味、炭水化物味は理解しずらい。
基本五味を単独で味わうことはなく、「味」として統合されて「おいしさ」感覚、評価を生む。

味覚の感受性と神経回路

味覚は舌、口腔の感覚細胞でそれぞれの化学物質、例えばショ糖を味覚受容体(T1R) が感知し、神経細胞で視床などを経由して脳の眼窩前頭皮質に送られる。
ここで他の感覚(嗅覚など)と統合されて、「甘くておいしいケーキ」の認知が成立する。
味覚受容体は五味それぞれに特異的で、口腔内だけでなく、腸、肺、脳などにも存在する。
甘味・旨味はT1Rファミリー、苦味はT2Rファミリーで、塩味(EnaC)と酸味(OTOP1)として 特定されている。辛味・涼味のTRIPファミリーは温感の受容体でもある。

嗜好(好きなおいしさ)の認知構造とニューロ測定

嗜好研究は
① 消費者インタビューで嗜好の認知構造と味覚感覚の関係を明らかにする。
② 可能な限り、生理計測データ(脳データ)と嗜好の関係性を明らかにする。
 の2つのアプローチから、
③ おいしさ嗜好の実態把握と一般化(集団の嗜好)の糸口をつかむ
④ 嗜好が生成する心理過程を仮説的に解明し、マーケティングに使う
をめざす。今回は、脳データを除いた部分のプリテスト的位置づけである。

嗜好の認知構造

嗜好は感覚(生理)反応が、「これが好き」との認知・行動パターンのことである。
認知であれば、ある程度自覚的であり、自覚的であればインタビューできる。
嗜好が生まれたきっかけ、嗜好の内容(構造)をインタビューで明らかにしたい。

嗜好は脳のどこで、どのように生まれているか

五味それぞれに特異的に反応する味覚受容体がある。
味覚受容体からの情報(信号)は眼窩前頭皮質で統合される。
この部位は扁桃体など辺縁系(快感、情動など)と連携が強い。
眼窩前頭皮質は意思決定にも関わるので、味覚が「嗜好」に転換される部位と考えていいだろう。

嗜好を脳データとしてどのように測定するか(次回以降のテーマ)

眼窩前頭皮質の活動に特定して脳活動を測定することは難しい。
測定対象が人の場合、非侵襲的方法しか取れないことが障害になっている。

嗜好の解明のためのリサーチ(リエゾンインタビュー)

飲食品の嗜好研究にあたって、第一段階として「嗜好」の心理構造をインタビューで解明する。
リエゾンインタビューを採用する。製品は即席味噌汁を取り上げる。(取り上げる製品は変更される可能性あり)
①具+生味噌、フリーズドライ(FD)の即席味噌汁の識別と嗜好に関するワードを収集する
②嗜好、嗜好性が生まれるプロセスと嗜好と味覚評価(試食)の関係性の仮説を導き出す。

開催日時・場所

日時:2019年11月6日(水)   13:00~17:00
場所:港区または渋谷区
※最低催行人数;3人
※10月31日締切予定

13:00~14:00 嗜好に関する講義
14:00~16:00 リエゾンインタビュー(2ペア4人)
16:00~17:00 検討会

費用・参加方法

33,000円(税込)/1人
以下の項目を記入してメールでお申込みください。(下記のアドレスどちらでも)
・参加者氏名(複数参加の場合は代表者を含めた人数)
・会社名(請求書宛先)
*参加費は前払いです。欠席の場合は代理出席をお願いします。

10月31日締切予定

アウラマーケティングラボ
東京都練馬区大泉学園町6-19-29
E-mail: auraebisu@gmail.com

オフィスコキリコ
東京都港区南青山2-27-27
E-mail: uhk32900@nifty.com

 

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