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第18回アウラ・コキリコセミナー

このセミナーは終了いたしました。

 

2010年代はデータサイエンスの時代だったと言える。
 「ビッグデータ、シンギュラリティ」のバズワードで始まり、後半には機械学習、深層学習の成果が現場に実装されるようになった。
2020年は、マーケティングリサーチ(MR)でも深層学習(AI)が使われて来る。
こういった新しい技術・方法論に対して、過度の恐怖感や排除の論理を持ち出すことなく消化吸収しようとするのが我々の基本姿勢である。
ここでMRからみたデータサイエンスをきちんと理解・消化し、この時代に定性調査を活かす方法論を研究したい。
可能性のひとつとして「リエゾンインタビュー」を取り上げる。


データサイエンスの理解

データサイエンスの隆盛は、
  ①Webの進化で、ほぼ無料で大量のデータが流れ込んでくるようになってきた
  ②コンピュータパワー(エクサスケールマシン&ソフトウェア)の高度化
  ③機械学習という方法の確立・発展 の3つの契機がシンクロしたことである。
これとの比較でMR(定量調査)の特性は
  ①データは設計(仮説)に基づいて「取り」に行くので有料 → 整然データ
  ②(有料なので)ビッグデータを扱うことはない → サンプリング理論に従う
  ③モデルビルディング、機械学習よりもクロス分析が主流 → 一部で多変量解析
などがある。

データサイエンスとMR

MRにデータサイエンス(AI)を実装する事例として以下のものを最近目にした。
<ブランディングアプリ>
アプリを起動し、『黒』で検索かけると
 ・サッポロ生ビール黒ラベル サッポロビール株式会社  ビール 度数  原材料
 ・黒霧島(くろきりしま) 霧島酒造株式会社  焼酎 度数  原材料 蒸留法
 ・はちみつ黒酢ダイエット タマノイ酢株式会社 黒酢 125ml
 ・○○・・・  のように正しいブランド名と製造販売の会社や商品情報が表示される。これは調査票作りの場面で役立つし、売上のトレンドとか商品特徴のデータが蓄積されれば調査票自動作成のAIになる。

定性調査のデータサイエンス

定性調査のデータは文脈依存性が強い

定性調査のデータ取得と分析方法の特徴は
  ①フォーカスされた発話データで、状況依存的かつ文脈依存性が高い → 「場」の共有
  ②サンプルサイズが小さいのでコンピュータ利用に向いていない → 形態素解析に耐えられない
  ③データ分析も記述的、文脈依存になる → 客観性、再現性が劣る
などがあり、現在のところ、データサイエンス(テキストマイニング)が適応しづらい

定性調査は全体性・意味性を保持した分析ができる

データサイエンスは大量のデータを機械学習させ、一般的で汎用性の高い分析やモデルを 定性調査は少量データ(n=1でも)で全体性を維持しながら意味性の高い結果を提供する。
MR(定量調査)はその中間で、分野・テーマを限定し、仮説に基づいて操作性の高い結果を提供する。
データサイエンスの時代に、定性調査の「全体性」と「意味性」が重要になると考える自動運転、画像診断などのAIは極めて膨大な要素を解析して結果(運転操作、がん診断、他) をアウトプットするが、その理由(判断の背景)は説明できない
「なぜ、ここでブレーキ操作した?」「がん以外の病変ではないか?」との疑問に答えられない
定性調査は、対象者の表現(発言と身振り)を腑分け(分解)せずに全体性を保持しながら意味分析を行うので、解釈・判断の背景、理由、状況、文脈(心理過程)の記述が分厚い
もちろん、データサイエンスの判断の説明に直接使えないが、全体性・意味性の保持は貴重である

全体性・意味性を保持した分析のためのリエゾンインタビュー(定性調査の使い方)

我々が開発中のリエゾンインタビューは定性調査の特性を活かす方法論である
 ・FGIはバンドワゴン効果と集団両極化現象への対処が必要
 ・対象者がもつ「3つのアポリア」は1on1インタビューでは崩しづらい
リエゾンインタビューは集団ではないので、バンドワゴン効果と集団両極化現象は起きない
更にインタビュアーvsインタビュイーの関係性がないのでアポリアが弱い
*リエゾンインタビューを2つ実施予定。テーマ募集中

開催日時・場所

日時:2020年2月19日(水)   10:00~17:00
場所:港区または渋谷区
※最低催行人数;3人
※2月12日締切予定

10:00~12:00 データサイエンスと定性調査
13:00~16:00 リエゾンインタビュー実施(90分☓2回)
16:00~17:00 検討会

費用・参加方法

33,000円(税込)/1人
以下の項目を記入してメールでお申込みください。(下記のアドレスどちらでも)
・参加者氏名(複数参加の場合は代表者を含めた人数)
・会社名(請求書宛先)
*参加費は前払いです。欠席の場合は代理出席をお願いします。

10月31日締切予定

アウラマーケティングラボ
東京都練馬区大泉学園町6-19-29
E-mail: auraebisu@gmail.com

オフィスコキリコ
東京都港区南青山2-27-27
E-mail: uhk32900@nifty.com

 

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